Facilitating Retrospective in the Prison

 

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リベレイティングストラクチャーについて

 
そこで世界中のあらゆる分野でLSが活用され、わかりあえない立場の人たちとの関係性構築と課題解決がなされていることを目のあたりにしました。そして、日本ではこのLSがほとんど知られず、実践されていない状況に焦燥感を持ちました。 LiberatingStructuresを直訳すると「解放構造」という感じになってわかりにくいと思いますが、職位や立場から解放されて話しあうためのstructuresなので、「フラットな関係で話しあうための仕掛け」と意訳するとわかりやすいと思います。 LSには話しあいの目的や状況に応じて、なんと33もの道具が用意されています。「どんな時でも、その場にいる全員が自分ごととして楽しく話しあいに参加する」ということを促すツールです。 ※「リベレイティングストラクチャー」のFacebookページhttps://www.facebook.com/LiberatingStructuresJapan/
森 時彦,伊藤 保,松田 光憲. 図解 組織を変えるファシリテーターの道具箱働きがいと成果を両立させるパワーツール50 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.596). Kindle 版.

本の紹介

ファシリテーターの道具箱 の続編
働き方改革や新型コロナウイルスの影響により、 働き方や組織のあり方を大きく変えようという動きが活発になっています。 この本は、そうした話し合いを効果的に進めるための 50の道具 (ファシリテーション・ツール=武器) を紹介したものです。 会社やチーム、職場が抱えている課題を大きく5つのテーマに分け、 各テーマに役立つ道具を「見開き1項目&図解」でわかりやすく解説。
森時彦さんの著書は読んだことある人いるかも
Amazonより
チーム・職場づくりに、1冊あるとべんりです!
ロングセラー『ファシリテーターの道具箱』組織変革編
◎仕事を減らす ◎関係性を良くする ◎アイデアを出して、選ぶ
◎目的を共有し、コミットメントを高める ◎行動を変える
米国で話題の道具「リベレイティングストラクチャー」もよくわかる!
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働き方改革や新型コロナウイルスの影響により、
働き方や組織のあり方を大きく変えようという動きが活発になっています。
この本は、そうした話し合いを効果的に進めるための
50の道具 (ファシリテーション・ツール=武器) を紹介したものです。
会社やチーム、職場が抱えている課題を大きく5つのテーマに分け、
各テーマに役立つ道具を「見開き1項目&図解」でわかりやすく解説。
それらのなかには、
アメリカ西海岸の企業などで競うようにして取り入れられている
話題のツール「リベレイティングストラクチャー」も数多く含まれています。
拾い読みするだけでも、あなたの組織に合った道具がきっと見つかるはずです。
会議、ミーティング、ワークショップなどで、ぜひご活用ください。
【主な目次】
第1章 仕事を減らす
・トゥリーズ
・これだけ!
・ワークアウト
・エコサイクル計画
…4つの道具を紹介
第2章 関係性を良くする
・は茶め茶会
・速攻! ネットワーキング
・ライフストーリーチャート
・ドラッカー風エクササイズ
・ジョハリの窓エクササイズ
…ほか、10の道具を紹介
第3章 アイデアを出して、選ぶ
・1-2-4-All
・トロイカ・コンサルティング
・それで?
・ワイズクラウド
・ヤバい質問
…ほか、12の道具を紹介
第4章 目的を共有し、コミットメントを高める
・目的・手段ツリー
・15%ソリューション
・9回のなぜ対話
・カンバセーション・カフェ
・もやもや会
…ほか、12の道具を紹介
第5章 行動を変える
・3W
・質問会議
・チームのグランドルール
・ワイ・ダブリュー・ケー・ピー・ティー
・ポジティブゴシップ
…ほか、12の道具を紹介
補遺 オンライン会議のファシリテーション

ベラルーシの現状

・ベラルーシの首都ミンスクでは8月16日(現地時間)、最大20万人が抗議デモに参加した。独裁体制を敷く「ヨーロッパ最後の独裁者」ルカシェンコ大統領が6選を決めたことに対する抗議デモは8日目を迎えた。 ・ニューヨーク・タイムズは、16日のデモは一連の抗議デモの中でも最大規模で、恐らくベラルーシ史上最大だと報じた。 ・ルカシェンコ大統領は16日、デモ参加者を「ネズミ」「クズ」「無法者」などとはねつけたが、デモ参加者は大統領の約26年に及ぶ統治に抵抗している。 ベラルーシの首都ミンスクでは8月16日、選挙のやり直しを拒否した「ヨーロッパ最後の独裁者」ルカシェンコ大統領に対する抗議デモに最大20万人が参加した。 投票に不正があったと批判されている大統領選で80%を得票し、6選を果たしたルカシェンコ大統領に対する抗議デモは、16日で8日目を迎えた。ニューヨーク・タイムズは、16日のデモは一連の抗議デモの中でも最大規模で、恐らくベラルーシ史上最大だと報じている。

2020年夏以降、すでに33,000人以上のベラルーシ人が逮捕されていて、比率で言うと、これは日本の約40万人に相当😰
逮捕される理由
  • 声明を出す
  • SNSに投稿する
  • 窓に旗を立てる
  • 大声で自分の意見を表明する

『Facilitating Retrospective in the Prison』の筆者について

コンスタンティン・ラズモフスキー( KONSTANTIN RAZUMOVSKY )はソフトウェア開発会社での実務とトレーニング/コンサルティングを組み合わせたベラルーシ初のプロフェッショナルスクラムトレーナー及びアジャイルプラクティショナー
1998年にJavaエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、PjM、SM、部長、PO、COOなどを歴任
 
 

舞台設定

年齢層:20歳〜60歳
人数:10人
業種:建築家、エンジニア(2名)、CEO、営業、ロックミュージシャン
コピーライター、学生(2名)、スクラムマスター
部屋の広さ:20平米(約10畳)
期間:15日間
24時間消えない照明
コロナに感染しても救護してもらえない
殴られる

刑務所内で機能したリベレイティングストラクチャー

 
監房では何もやることがないのに朝6時から夜22時までベッドに座ることすら許されないので人狼やチェスなどのゲームで遊ぶも飽きてくる
そこで、今自分たちがどんなところにいて次にできることは何かを理解し、困難な状況の中で助け合うことを目的として、ふりかえり(レトロスペクティブ)をやることに
刑務所からの解放がみんなの願いだったのでリベレイティングストラクチャーがいいかという安直な思いつきからトラディショナルな手法であるImpromptu Networking、トロイカ・コンサルティング、1-2-4-allをやってみた(各手法の詳細は後述)
それらの手法のあとにフィードバックを共有すると、職業や経験が異なるにも関わらず、これらの手法が彼らの仕事や生活に役立つという意見が聞こえてきて驚きと興奮を覚えた

Impromptu Networking(速攻!ネットワーキング)

使い所:キックオフ、ワークショップのアイスブレイク、イベントのクロージング
  1. 集まりの趣旨にあった質問のテーマを用意する
  1. テーマの回答と簡単な自己紹介を1分程度でそれぞれ考える
  1. 知り合い同士でない人を選び、一人あたり2分程度で自己紹介とテーマの回答を話し合う
  1. 設定した時間になったらペアを変え、3ラウンド程度繰り返す
  1. ペアの相手から聞いた「印象に残った話」を数人から共有してもらう

刑務所の場合
テーマ:”我々がここにいることのポジティブな面は何で、現在もしくは将来的にどのような価値をあなたにもたらすか”
感想:看守や警察等の自分たちと反対側にいる人達の中にも同じ志を持っているが、命の危機を感じて反対勢力に加われない人もいることが理解できた
 
 

トロイカ・コンサルティング

使い所:悩みを相談したいとき、客観的な意見がほしいとき
  1. 自分の悩みや不安を相談できるように整理する
  1. 3人1組となり、相談をするクライアントを誰から始めるかを決める
  1. 残りの二人はコンサルタントとなり、クライアントの話を聞く
  1. クライアントが話し終わったあと、コンサルタントは疑問点などをクライアントに質問する
  1. クライアントはコンサルタントの声のみが聞こえるよう後ろを向くなどする
  1. コンサルタントは相談に対するアドバイスを二人で話し合う
  1. クライアントはコンサルタントの相談内容をメモする
  1. コンサルタントの話し合いが終わったらクライアントはコンサルタントの顔が見える状態に戻る
  1. クライアントはどのアドバイスが役に立ちそうかをコンサルタントに共有する
  1. 全員がクライアントをやるまで繰り返す

刑務所の場合
相談内容:拷問や殺人などを目撃しトラウマを抱えている、仕事や学業に問題を抱えている
感想:同じ志を持った人たちと悩みを共有し、アドバイスを得られたことは非常に貴重だった

1-2-4-all

 
使い所:いつも同じ人ばかりが発言してしまうとき、全員の意見を取り入れたいとき、期待や不安などが知りたいとき
  1. テーマに対して一人で意見をまとめる
  1. 二人一組になってお互いの意見を話し合い、二人で一つの意見にまとめる
  1. 別のペアと四人一組になり、さらに一つの意見にまとめる
  1. 最後に全体で四人グループの意見を共有する

刑務所の場合
それぞれの釈放後の次のステップ、選択肢や解決策についてリストアップし、良かったアイデアを全体で共有した

良かったこと、学んだこと、欠けていたこと

第二次世界大戦時にファシズムとの闘争を経験したベラルーシの偉大な作家ヴァシル・ビカウ(Vasil Bykau)は戦争や刑務所のような極限状態が、普段の生活では見逃してしまいがちな意思決定を強調するという事実をよくテクニックとして用いた
それと同じことを現代の刑務所でも経験する機会を得た。本当に良いものや物足りないもの、自分自身についてより学ぶことができた

LIKED 良かったこと

  • 有意義な目的を共有する人々のモチベーションの力を観察して驚いた
  • ふりかえりをしている最中のメンバーのコミットメントレベルの高さに衝撃を受けた

LEARNED 学んだこと

  • 本当にやる気のあるグループで、話し合うべきトピックが明確なメンバーと過ごす時間は喜びに満ちていることを学んだ
    • 実務でファシリテーターをやる中で、手法に参加者を従わせていると感じることがあった

LACKED 欠けていたこと

  • 唯一問題だったのは、時間いっぱい使ってるのに止まることのない議論をどう止めれば良いのかわからなかったこと
  • 実務においてそれくらい熱意のある議論をするのに欠けているものはなにか?
    • 「たのしい」ふりかえり手法や「最も効率的な」ファシリテーション手法を探していてばかりで寄り添うことの本質を見失っているのではないか

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